最新作

その1|懐石道具からはじめました。

18才で、お茶を習い始め、48才で、ようやく茶事をするようになりました。
同時に茶事に必要な道具で漆にできるものを自分で作り始めたのです。
銀座にあった「無境」さんで開かせていただいた「懐石皆具展」(2006年12月)で製作した、 「折敷、四つ椀、煮物椀、小吸物椀、飯器、杓子、湯桶、湯の子、脇引、通盆」を、 亭主デビューの席で、最初に使ってみました。
漆は茶室空間で、より美しさを増すように思われました。
茶の湯は、陶器が主役のように思われていますが、そうでもありません。
漆には、上記の他にもまだまだ仕事があるんです。
「懐石道具展」から5年の月日が経ち、 この間に新しい道具がいろいろと仕上がっています。
これからも展覧会で順次発表していく予定です。

縁高

3代目渡辺喜三郎の写しです。
オリジナルは、曲物ですが、より薄く軽やかで、かつ狂いを少なくするため、曲物風の指物木地で製作しました。
外側は、赤漆(せきしつ)、陵(りょう)は、弁柄漆を盛り上げて。内側は、本堅地真塗となっています。

185×185×高318ミリ(五段組) 262,500円*完売

木地:档材指物 木地師・卯木伸二
下地:外/赤漆 下地職・古野陽子(赤木工房)内/総布着本堅地
上塗:外/透漆油無塗立(日本産漆)上塗職・赤木明登 内/黒漆油無塗立(日本産漆)

引盃と盃台

「引盃」は、極薄の木地を紙のように軽くし、荒目筋をランダムに入れ、朱漆を目はじきに塗りました。
「盃台」は、輪島の真塗です。

径122×騠97ミリ(引盃+盃台) 78,750円*完売

引盃 
木地:欅材横木挽荒目筋 木地師・高田晴之
下地:目はじき  下地職・福崎雄真(赤木工房)
上塗:朱漆油無塗立(日本産漆)  上塗職・赤木明登

盃台
木地:欅材横木挽  木地師・高田晴之
下地:布着本堅地 下地職・古野陽子(赤木工房)
上塗:黒漆油無塗立(日本産漆)  上塗職・赤木明登
※赤漆は、正倉院御物にある技法で、木地を蘇芳で染めた後、透漆を塗り重ね、木地の表情と赤色がほのかに透けて見えるように仕上げます。