最新作

その1|輪島塗のスタンダードを作ろう。

2011年4月に輪島漆器商工業協同組合に加入させていただきました。
そこで、輪島塗のスタンダードになるような器をきちんと作ってみようと思い立ったわけです。

「概して見ますと輪島のものも近頃の品は降る一途なので、工人に望むところは形を豊にし繪附を活々したものにして貰ふことであります」
(柳宗悦著『手仕事の日本』より)

柳が能登の漆器産地・輪島を訪ねたのは昭和15年(1940年)ころのことだそうです。
その後どうなったかというと、さらに「降る一途」だったのではないでしょうか。
漆器の何が衰えていったのでしょう。
言うまでもなく、失われたのはその「美しさ」です。
古物を俯瞰してみると、輪島の漆器が最も輝いていたのは幕末から明治にかけてでした。
もしそうであるならば、一度失われた「美しさ」を輪島塗の世界に甦らせることこそ、僕の仕事だと考えています。
21世紀に柳が生きているとしたら、「この椀、なかなかよいね」なんて言ってもらえるように。(まだまた夢ですが…)

まずは、日常の食卓でいちばん活躍しそうなお椀から始めました。
飯椀としても、汁椀としても使っていただけるように、いわゆる飯椀らしさも、汁椀らしさも含んだハイブリッド形にしました。
でありながら合鹿椀の流れをくむ江戸時代の輪島古椀のDNAをしっかりと受け継いでいます。
子どもたちの成長に合わせて、あまりたくさんいただかない方の体調に合わせて、4種類のサイズを用意しました。
大きい方を「草の椀」、小さい方を「若葉椀」と名付けました。
最初の一椀にいかがでしょうか。

つぎに、実用的なお皿を3サイズ。
銘々にお菓子を出すのにも、お総菜を取り分けるのにも使えます。
もちろん茶托にしてもいいでしょう。
まだ続々と新しいアイテムをご用意しています。
この秋の展覧会から順番に登場の予定です。

(左上図)草の椀大の黒と本朱
(右上図)左から草の椀大・小、若葉椀大・小
草の椀大 径131 高67 15,750円
草の椀大 径122 高62 14,700円
若葉椀大 径112 高55 11,550円

(左下図)草の椀大の黒と本朱
(右下図)左から草の椀大・小、若葉椀大・小
銘々皿大 径153 高20 9,450円
銘々皿中 径127 高20 8,400円
銘々皿小 径104 高20 7,350円
※サイズはすべてミリ

輪島塗 草の椀 若葉椀 仕様
木地:欅材横木挽 木地師・池下満雄
下地:総布着本堅地 下地職・杉田明彦(赤木工房)
上塗:油無塗立(日本産漆4割含)上塗職・赤木明登

輪島塗 銘々皿 仕様
木地:欅材横木挽 木地師・磯田穣一(池下工房)
下地:総布着本堅地 下地職・磯田穣一(赤木工房)
上塗:油無塗立(日本産漆4割含)上塗職・赤木明登